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RGPジャパン

他社を変革に導くコンサルタントが、自社のしがらみにとらわれているなんて滑稽だ

島田 嗣仁(しまだ・つぐひと)

RGPジャパン・カントリー・リード

ここにあるのは、大きな責任と無限の自由

世界中にプロフェッショナル人材を供給する企業のジャパンオフィス。リソース・グローバル・プロフェッショナル・ジャパン(以下、RGP)、1996年にアメリカで創業し、現在は世界約70カ所に拠点を構えている。

ファイナンス領域やDX、サプライチェーン等に強みを持つプロフェッショナルファームだが、その最大の特徴はなんといっても“働き方に対するフィロソフィー”だろう。いや、むしろ働き方というより生き方といった方が正確かもしれない。コンサルタントとして、自分はいったいどう生きたいのか。これからのキャリア構築にわずかにでも不安を感じている方は、ぜひご一読いただきたい。


RGPの考え方はいたってシンプル。コンサルタントとして、

やりたいプロジェクトだけに注力してほしい。

――本国アメリカでは、2021年の『最高経営コンサルティング会社』としてフォーブス誌から表彰も受けている貴社ですが、日本ではまだ詳しく知らないという方も多いかと思います。まずは、RGP社のアウトラインを教えていただけますか?


島田:元々は、BIG4と呼ばれるデロイト・トウシュ・トーマツグループからスピンアウトして誕生した企業です。創業は1996年で、東京オフィスは2004年に開設されました。出自が会計系のファームなので、当初はアカウンティングやファイナンスの領域でプレゼンスを発揮していましたが、現在はDXやサプアリチェーンの業務改善、HR領域など、さまざまなプロジェクトをご支援しています。


クライアントは日系外資系問わずグローバルに展開されている企業が大半です。そのため一人ひとりのコンサルタントも、ほぼ全員がバイリンガル。「難度の高いプロジェクトにコミットしてくれるバイリンガルのコンサルタントがいる」ということで、クライアント社内でのリファラルというか、部署をまたいだご紹介によって案件が広がっていくケースが多いですね。


――今、BIG4や他の外資系ファームから多くの優秀な人材が貴社に移っていると聞きました。彼らは何を求めてRGPにジョインしているのでしょうか。


島田:もちろん置かれている状況や思いは人によって違うというのが大前提ですが、「自由で柔軟な環境の中、自分の力を試したい」という方が多いのではないかと思います。RGPには固定報酬の正社員も在籍していますが、多くのコンサルタントはフリーランス・業務委託という契約形態を取っています。


自分のマーケットレートを自分で決めて、自分がやりたいプロジェクトに自由に参画する。時にはチームを組んだり若手の育成に携わることもありますが、基本的には自分一人の努力と才覚で結果を残し、先ほど言ったような追加契約を勝ち取っていくわけです。


コンサルタントとして完全に独立してしまうと、新規案件の獲得に苦労することもあるかもしれません。しかしRGPであればさまざまなグローバル企業からの引き合いが絶えませんから、個人が目指すキャリアに合う業界やクライアントに参画できます。


――プロフェッショナルとしてのキャリアを、ご自分の意思で決めていけるということですね。


島田:その通りです。大手のコンサルティングファームでは、RGPと同じかそれ以上のビッグディールに携わる機会が多くなります。キャリアを作っていくためには、現場でのデリバリーに従事しクライアントの課題解決に明け暮れて経験値を上げていきますよね。ただ培ったデリバリーの経験値枠だけでは大手コンサルティングファームの方針と個人のやりたいことが必ずしも合わなくなっていくコンサルタントが増えるます。会社やチームの売上に責任を持つことが求められるようになり、必ずしもクライアントが本当に感謝したり、適正なコンサルタントのアサインが出来ないなどコンサルタントファームではどこにでもある話です。海外出張が絡むようなグローバル案件を望んでは居たものの、これまで担当してきたインダストリーやファンクションを離れられないというジレンマにも陥ります。「あなたの得意領域はこれだから、この案件で数人のメンバーを動かしせば、売り上げを達成できるよね」という理屈です。


しかしそうなると、コンサルタントとして個人が思い描いている成長はいつまで経っても実現しません。チームやプロジェクトのマネジメントで力を発揮したいという人はそれでいいかもしれませんが、あくまでグローバル環境で“強い個”であり続けたいと願う人にとっては、選択の幅が狭くなりキャリアビルディングには限界が見え、好ましい環境ではないでしょう。さらに言うなら、グローバルに働きたくて外資系ファームに入ったのに海外出張もないとか、DXをやりたくてAIに強い会社に行ったのに全然違う分野の担当になったというのも、“コンサルタントあるある”ですよね。


その点RGPはブティックファームですし、働き方という観点でもかなり柔軟に参画するプロジェクトを選択することが可能です。特にグローバルで活躍したい方にとっては、ご自身の思い描く理想に近いキャリアを実現できるのではないでしょうか。


コンサルスキルと語学力さえ磨いておけば、

どこの国に住んでいたって高い価値を提供できる


――RGPでのプロジェクトを担当するためには、英語力は必須なのでしょうか?

島田:基本的には求めたいところです。ただ、もしも今は苦手だとしても、若く優秀な皆さんが本気で勉強すれば短期間で習得することはできるでしょう。

せっかくコンサルタントとして高いスキルを身につけても、日本語しか使えなければその価値を届けられる相手は世界中で1億人ぐらいしかいないわけです。しかし、コンサルのスキルセットに英語力というたった1つの要素を上乗せするだけで、活躍の場が北米に限らず欧州、中国、アジアなど広範囲に広がることになります。自分のコンサル経験を見渡しても、ロシア人もポーランド人も、ベトナム人も当たり前のように英語を使ってコミュニケーションしています。優秀な人であればあるほど、語学は身につけておいてほしいですね。

逆にその力があれば、どこに住んでいようと価値を発揮できる時代にもなっています。クアラルンプールに住みながら、東京のクライアントとリモートでやり取りしたっていいわけです。実際にコンサルタントの中にはハワイやヨーロッパに住んでいる人もいますよ。我々もその前提で採用して、その前提でお客さまに提案して、「大丈夫です」といって了承してもらいアサインされているので、勤務地の敷居は益々下がる傾向にあると思います。


――本当に柔軟な環境なのですね。公開できる範囲で実際のプロジェクト事例を教えていただくことはできますか?

島田:たとえば、ある大手自動車部品メーカーさんとは5年ほどのお付き合いがあります。当初担当していたのは1人のコンサルタントで、海外子会社のリスク管理をやってほしいという依頼でした。そちらの子会社とコミュニケーションを取る中でさまざまな課題が見えてきて、今では10人体制で幅広くご支援しています。

もちろん強制的にアサインしたのではなく希望して入ってくれていますし、10人のメンバーに上下関係はありません。通常のファームであれば1人のパートナーにリーダークラスが2人、細かな業務を進めるメンバーが5、6人といった体制になるでしょう。しかしRGPの場合は全員が基本自分でデリバリーできる人たちです。

一人ひとりのコンサルタントが、現地社員へのインタビュー等を通してお客さまの現行業務を理解する。任されたミッションは当然遂行しながらも、新たな課題を見つけ出して問題提起をおこなっていく。そうやってどんどん依頼される領域が拡大してきました。


――相当豊富な経験を持ったコンサルタントの方でなければ対応できないような印象です。

島田:そこまで掘り下げられるのはかなり高いレベルの方ではありますね。とはいえ最初は、ご自身の強みや英語レベルにあった案件をご紹介しますので、そこまで心配する必要はありません。また、たとえば新しいクラウドツール等が出てきた場合には、会社としてトレーニングも用意します。「自分の領域はここだけだ」と限定することなくチャレンジし続けられる方であれば、きっと活躍できるでしょう。弊社のコンサルタントはながければ2-3年一つのクライアントに勤務する方もします。これは特定のスキルだけでなく、従事したコンサルタントがクライアントとともに成長しているからです。契約延長してもらうコンサルタントは端的にはコンサルタントとしてのインターパーソナルスキルを発揮できているからです。


自由とは決して楽ではない。それでもこの道を選ぶかどうかは、自分次第だ


――長く、そして深く付き合っていけるコンサルタントになるためには、どんなことが重要なのでしょうか?

島田:特にIT領域では常に新たなテクノロジーが登場し続けているので、学びを止めないことは必須条件です。それに加えて、コンサルタントとしてのインターパーソナルスキルが大切だと思っています。よくコンサルとして求められる5ステップと言われるのですが、まずはポジティブ(Positive)であることが重要です。自分の性格上それは無理だという人もいるかもしれませんが、性格を変えてほしいわけではなく、発する言葉や行動をポジティブにしてほしい。それだけで、相手に与える印象はガラリと変わります。

2つ目は相手に興味(Curiosity)を持つことで、3つ目がお客さまの悩みや課題に心から共感する力(Empathy)。ポジティブな人だから相談されて、相談内容に興味を持って共感することができれば、ちょっと手伝ってくれませんかというコラボレーション(Collaboration)の世界が訪れます。これが4ステップ目で、最後が単発で終わるのではなく長期的なお付き合いの中で生まれるエンゲージメント(Engagement)です。担当者や現場からの推しがあれば、取っ掛かりは特定領域のエキスパートだったのに、そこを超えて長期的に受け入れられる流れができます。

Positive、Curiosity、Empathy、Collaboration、そしてEngagement。常に学ぶ姿勢を持ち続け、なおかつこの5ステップを忘れなければ、50歳60歳になったとしてもどんなクライアントからも支持されるはずです。


――その他に、RGPでの仕事を遂行するにあたって求められるスキルや能力はありますか?


島田:繰り返しになりますが、大手ファームとの最大の違いは一人ひとりのコンサルタントが極限まで大きな自由と責任を持っていることです。つまり、常に自分を律してやり遂げられる人でなければ務まりません。

そしてそのためには、出力を上げて自分にアクセルをかけるだけでなく、適切な場面でブレーキを踏む能力も求められます。何もないところに道を作りながらも、どこかで一歩立ち止まって「本当にこれでいいのだろうか」と自分で自分をレビューする。プロジェクト全体の大きな方向性から提出資料の誤字脱字といった細かな部分まで、冷静に自分を見つめられる人でなければ、信頼されるコンサルタントにはなれません。指示してくれる人や叱ってくれる人がいない環境というのは、自由で柔軟な働き方を実現できる一方で、大きな責任も伴うのです。その点を忘れないでください。


――高いコンサルティングスキルに加え、人として成熟した方でなければ信頼は得られないのですね。


島田:言葉を変えると、自由って実は怖いんですよ。誰かに言われた通りにやっている方がよほど楽に生きていけます。しかし、そうした生き方にNOを唱え、自らの意思と責任で進むべき道を決めていきたいというプロフェッショナルたちが集まっているのがRGPという会社です。

そもそもコンサルタントという職業は、クライアントのあるべき姿を思い描き、顧客とともに伴走しながら変革を実現することがミッションのはずです。ところが肝心の自分自身が、組織の都合やしがらみのせいで理想のキャリアを築けないなんて滑稽ですよね。そんなのおかしい、自分の人生は自分で決めたいと考えるのは、当たり前のことだと私は思います。

多忙な毎日に追われて、ふとこの方向性で自分は楽しいのだろうか?何かに縛られながら不自由だけどやれることを人一倍組織で発揮して生涯常勝志向を目指すのか?それとも自己管理の下、自分のペースでやりたいことを追い続けるのか。コンサルタントとして、あなたはどのようにキャリアをアップさせて行きたいですか?




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